坪庭・和風庭園とは?
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坪庭とは

「坪庭」の起源はなんと1000年以上前。平安時代に貴族が暮らしていた「寝殿造り」の宮殿から生まれました。寝殿造りの各建物は渡り廊下でつなげられており、建物と建物の間に空間が存在します。この空間を「壺」と呼ぶようになり、やがて「坪」の字を当てるようになりました。ただしこの壺の広さは400~500坪あり、現代の坪庭とはおよそ趣も異なります。「庭」というよりも「空き地」といった方がいいかもしれません。
京都の町屋に坪庭が生まれたのは桃山時代といわれています。町屋は間口が狭く、奥に長い「うなぎの寝床」型の構造であったため、採光と通風を目的として造られたのが「坪庭」でした。実用性の面から考案された坪庭ですが、町屋に暮らす人々は、その限られた空間に差し込む光や、降り注ぐ雨雪、そして風に揺れる草木といった坪庭が見せる表情から季節を感じ取っていました。現代では、建物と建物の間や敷地の一部にある小さな庭のことを「坪庭」と呼んでいます。家屋のスタイルに合わせて、洋風に作られた坪庭などもあります。
和風庭園(日本庭園)とは
一般的に和風庭園といえば、池を中心とした起伏のある地面に庭石や草木を配して、四季折々の景色を鑑賞できるようにした庭、という印象があると思います。もちろん和風に限らず、他国にも景色を楽しむための「庭」という文化は存在します。例えばイギリスには王立キュー・ガーデンやウィズリー・ガーデンといった景色を楽しむための有名な庭園がいくつもあります。では和風庭園の最大の特徴とはいったい何でしょうか?
和風庭園と他国の庭園との違いは、ひとえに「象徴化」の有無といえます。例えばイギリスの庭園などは、土地を贅沢に使って自然を「写実する」方法で美しい景観を生み出しました。一方、和風庭園は真逆の発想によって造られているのです。和風庭園では、広大な自然や神仙の世界、浄土の世界などを、そのまま具現化するのではなく象徴に置き換えて表現することがあります。水を使わずに砂利や石の置き方で水流を表現したり、石の置き方で架空の土地である蓬莱山を表現したり…。限られた空間に広大な宇宙を作り出すこの手法は、世界でも類を見ない特殊な表現方法といえます。ただし、その奥の深い表現を完全に理解するためには、膨大な仏教・道教の知識や茶道への深い造詣が必要となります。
坪庭・和風庭園で使用される主な樹木

和風庭園には四季を楽しめる樹木を配したいものです。春には美しい花をつけ、秋には落葉・紅葉を楽しむことができ、冬には雪の中でひっそりとつぼみをつける樹木など。和風庭園を造る際に使用される樹木には、以下のようなものがあります。
- カエデ(モミジ)
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落葉広葉樹の代表種。秋には朱色に染まって落葉する。
- ツバキ
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常緑樹であり、冬から春にかけて雪の中でも花をつける。
- アセビ
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常緑樹であり、早春に花をつける。なお、毒性が非常に高く、殺虫剤などの原料となる。
- サルスベリ
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8月頃に花をつける落葉樹。名前の由来は樹皮が非常に滑らかなため、「猿も滑って登れないだろう」とのたとえ話から。
- 紅梅
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冬の終わりから早春にかけて花をつける落葉樹。花札の図案でも有名な花弁の赤い梅のこと。
- ヒメシヤラ
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ヒメシャラとも呼ばれる。初夏から夏にかけて花をつける落葉樹。秋には紅葉する。
- ナツツバキ
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落葉樹であるが、常緑樹のツバキに非常によく似た葉をつける。また、ヒメシヤラの同属であり、この2種をまとめて「シャラノキ」と呼ぶこともある。
- ソヨゴ
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雌雄異株の常緑樹であり、秋には果実が赤く熟する。「ソヨゴ」の名は、葉が風にそよいでいる姿からつけられた。
- アカマツ
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日本の常緑針葉樹の代表種。1年を通して緑色の細い葉をつけ、その枝ぶりなどが鑑賞される。
坪庭・和風庭園で使用される主なコケ
古くから日本人は、コケ独特の多彩な緑を愛でてきました。和風庭園の地面、庭石、石灯籠、蹲(つくばい)、庭木などに生えるコケは古色、閑寂の情緒を生み出し、庭園に落ち着いた風合いを与えてくれます。和風庭園にて使用されるコケには以下のようなものがあります。
日向に植生させるコケ

- ギンゴケ(銀苔)
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日当たりの良い土の上や石垣などに生える小型のコケ。盆栽の表土、盆栽の石つけ、盆景などにも利用される。
- コスギゴケ(小杉苔)
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コスギゴケはウマスギゴケ、オオスギゴケとともによく和風庭園で使用される。日当たりの良い土手や日陰地の地上などに群生する。
- スナゴケ(砂苔)
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黄緑色のコケ。日当たりの良い河原や山地の土や岩の上、石垣などに群生する。直射日光が当たる場所でも、湿度が充分であれば育成が可能。
主に日陰に植生させるコケ
- アラハシラガゴケ(粗葉白髪苔)
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山苔として盆景や庭園材によく使われるコケ。湿度の安定した日陰地形の木の根本、腐木上によく自生し、急な斜面に生えた木の根本に群生することもある。
- コウヤノマンネングサ(高野之万年苔)
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腐植土や川沿いの林の内部など、湿度の高いところを好んで群生する。大型で優美なコケであり、盆景では樹木を表すようなアクセントにすることもある。
- コツボゴケ(小坪苔)
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低地や山地のやや日陰地にある湿った土や岩の上に群生する。コケ庭によく使用されるだけでなく、盆景にもアクセントとして使用される。